テヘランの地理
イラン高原の北西部の、標高1200 mほどの地点にある。北部にアルボルズ山脈がそびえ、同山脈およびイランの最高峰であるダマーヴァンド山から南西に66kmはなれた山麓に位置する。南には中央砂漠が広がっている。テヘランはアルボルズ山脈からの扇状地の先端に位置する。
テヘラン市街は中心部を東西に走る大通りであるエンゲラーブ通り(革命前はシャー・レザー通りという名だった)によって南北に分けられる。エンゲラーブ通りは取り壊されたテヘラン旧城壁の北端に位置し、通り以南は旧市街となっている。エンゲラーブ通り以北は行政機関や企業が集中するビジネス中心地区であり、パフレヴィー朝成立以後に開発が進んだ地区である。エンゲラーブ通りに面して北側にはテヘラン大学のキャンパスがあり、通りの西端にあるアーザーディー・タワーは1971年に建てられたテヘランのシンボルであり、上の展望台からは市街が一望できる。エンゲラーブ通りの少し北には1979年に起きたイランアメリカ大使館人質事件の舞台となった旧アメリカ大使館があるが、現在は閉鎖されている。テヘランの北端近く、丘陵のほぼ北端にはパフレヴィー朝時代には夏の離宮として使用されたサーダーバード宮殿があり、現在では宮殿博物館としてここも観光名所となっている。また、北端にはトチャル山へと登る全長3200mのロープウェイがあり、頂上からは市街が一望できる。
これに対し、南部は市の中心であるエマーム・ホメイニー広場や、その南にはかつての商業中心であるバザール、旧城壁の南側にはテヘラン中央駅も存在する。バザールの商業的機能は低下しつつあるが、それでもテヘラン有数の商業地であり、多くの人が訪れる。エマーム・ホメイニー広場とバザールの間にはガージャール朝の王宮であったゴレスターン宮殿があり、現在では王宮博物館として美術品などが展示され、庭園とともに観光客の多く訪れる名所となっている。一方、エマーム・ホメイニー広場から北のエンゲラーブ通りまでの間にはイラン国立博物館や、イラン中央銀行、その中央銀行の地下大金庫内にあるイラン宝石博物館など多くの観光名所が存在する。中でも宝石博物館には、イラン王家の象徴である孔雀の玉座や、182カラットあって世界最大のダイヤモンドの一つであるダルヤーイェ・ヌール、レザー・シャーの王冠や5万1千個の宝石をちりばめた地球儀など、イラン王家の所蔵していた非常に貴重な宝石類が収められている。
テヘランが巨大化するにつれて周辺も市街地化が進むようになったが、都市化は主に北へ向かって進み、南へはそれほど伸びてはいない。これは、標高の高い市の北部のほうが環境がよく、夏の暑熱もしのげるために高級住宅地となっているからである。これに対し、南部は下町となっており、貧富の差によっておおよその住み分けが行われている。テヘランでは地元民は市街北部を「上」、市街南部を「下」と呼ぶ。これはテヘランがアルボルズ山脈の麓にあるため南北に高低差があることに加え、所得水準にも差があるためである[8]。近年では北西部や西部の都市開発も進み、新興住宅街が成立している。
市の南部にはイラン最大の墓地であるベヘシュテ・ザフラー墓地があり、ルーホッラー・ホメイニーの墓廟であるホメイニー廟もここに建設されている。
東京都市圏と緯度がほぼ一致する。例えば、テヘラン中央駅(北緯35度39分31秒 東経51度23分51秒)と渋谷駅(北緯35度39分31秒 東経139度42分05秒)が同緯度にある。
テヘランの水は、テヘランの北西30㎞、キャラジ市にあるにあるカラジ・ダム[9]をはじめとするダムに依存している。キャラジ市はこのダムの電力により発展し、テヘラン郊外の工業都市となった。
参照元:ウィキペディア「テヘラン」
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